香りの散歩道 |
墨絵・朝野泰昌 |
6月は「食育月間」です。 今日食べたものが、未来のカラダをつくることは、みなさんもよくご存じでしょう。 その昔、「江戸わずらい」と呼ばれた病気がありました。 足元がふらついたり、しびれたりする、今でいう「脚気(かっけ)」のことです。 ビタミンが足りない食生活が原因なのですが、それが分かるまでは、伝染病だと思われていた時代もあったとか。 予防するという発想もなかったので、脚気になる人は増え続けたそうです。 こうした問題をなんとかしようと、明治時代、栄養学に特化した世界初の研究所が東京に誕生しました。 アメリカ留学で医学を学んだ佐伯矩(さいき・ただす)博士が、栄養の大切さを実感して、学問として確立したのです。 大正時代には、栄養指導者を育てる学校もできたのですが・・・昭和の時代に戦争が始まると、みんな食べることだけで精一杯。 栄養指導者が本格的に活躍するようになったのは戦後のことで、限られた食料で栄養をとる方法などを提案していたそうです。 そして、1947年に栄養士法という法律ができて、国家資格として認められた「栄養士」が誕生しました。 栄養についての情報があふれている今の時代でも、知らず知らずのうちに不足していることがあります。 栄養士のみなさんにはこれからも、食の大切さを伝えていただきたいですね。 |
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毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。 香りの散歩道TOPへ / TOPへ / 歳時記へ |