香りの散歩道


ビスコイト

墨絵・朝野泰昌
「朝野家 香りの散歩道」
この番組は、山陰 湯村温泉、朝野家の提供でお送りします。

今日のお相手は、私、木村匡也です。
1954年。
今からちょうど70年前に発表された、
『ふしぎなポケット』という歌をご存じですか。
ポケットをたたくとビスケットが2つになって、 もうひとつたたくとビスケットは3つ。
たたくたびに増えていく、そんな不思議なポケットがほしい・・・という歌です。

この詩を書いたのは、まど・みちおさん。
『ぞうさん』や『一年生になったら』など、たくさんの童謡を子どもたちに届けてくれた詩人です。

『ふしぎなポケット』は、お菓子会社のコマーシャルにも使われ、当時の子どもたちに大人気でした。
なかには、自分のポケットにビスケットを入れて、思いきりたたいて粉々にしてしまった子もいたようです。
甘い匂いがするビスケットの、苦い思い出かもしれませんね。

日本でビスケットが作られるようになったのは、江戸時代のこと。
長崎で西洋医学を学んでいた水戸藩の蘭学者が、オランダ人から作り方を教わり、保存食として広めるきっかけをつくった、と言われています。

1855年、安政2年2月28日の日記に、作り方を書いた手紙を水戸藩に送ったことが書いてあったとか。
それを記念して、今日2月28日は「ビスケットの日」になりました。

当時の呼び名は、ポルトガル語の「ビスコイト」。
日持ちがするよう二度焼いて、カチカチに乾燥させたものだったそうです。これなら、懐(ふところ)に入れてたたいても、粉々にはならなかったでしょうね。


「朝野家香りの散歩道」
この番組は、山陰 湯村温泉、朝野家の提供でお送りしました。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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