香りの散歩道 |
墨絵・朝野泰昌 |
秋の風にのって、金木犀(キンモクセイ)が香る季節になりました。 いつもの散歩道で、甘い香りにふと足を止めると、オレンジ色の花がたくさん咲いていた・・・そんな経験はありませんか。 遠くからでも漂ってくるので、一本の木が放つ香りに呼び止められる人が、周りにたくさんいるかもしれませんね。 その昔、金木犀にはこんな伝説がありました。 月には大きな金木犀の木が生えていて、花が満開になると月が金色に輝くという、なんともロマンチックな話です。 秋に満月を眺めるとき、あたりに金木犀の香りが漂っていたら、伝説の世界を再現したような、最高の演出になることでしょう。 また、金木犀の花は、漢方の生薬やお茶にもなります。 みなさんは、桂花茶(けいかちゃ)という名前の中国茶をご存じですか。桂(かつら)の花(はな)のお茶と書いて、桂花茶。 金木犀の花だけを摘み取って乾燥させたもので、お湯をそそぐと甘くて濃厚な香りが広がります。 ほんの少しでも香りが立つので、烏龍茶や紅茶、緑茶にひとつまみ加え、ブレンドして飲むのもおすすめですよ。 桂花茶の香りには、気分を落ち着かせる効果があると言われ、目の疲れを癒してくれるお茶としても、人気があるそうです。 月の輝く夜には、桂花茶をいれてゆったりと、お月見を楽しみませんか。 |
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毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。 香りの散歩道TOPへ / TOPへ / 歳時記へ |