香りの散歩道


月という名がつく花

墨絵・朝野泰昌

月が美しく見える季節になりました。今週の土曜日は「十五夜」です。
天の計らいで、雲も雨もない夜になるといいですね。

夏から秋にかけて、月の光の下で白い花を咲かせる、「月下美人(げっかびじん)」をご覧になったことはありませんか。
年に数回しか咲かない幻想的な花ですが、夕暮れからつぼみが開きはじめ、あたり一面に一瞬で漂うほどの香りを放ちます。

夜の8時ごろ満開になり、香りもピークを迎えますが、月が見えなくなる朝には、幻だったようにしぼんでしまうのです。

「月」という名がつく花は、月下美人のほかにもあります。
月見草(つきみそう)や、月の下の香りと書く「月下香(げっかこう)」。
この花も、夜になると濃厚な香りを放ちます。

月下香は、香水によく使われるチューベローズという花の別名で、中国では、夜に来る香りと書いて「夜来香(いえらいしゃん)」と呼ばれています。

月下香、チューベローズ、夜来香。
「ああ、この名前なら聞いたことがある」というものはありましたか。
一つの花に、いろんな名前が付けられているので、花の姿を見て、香りをかいで、自分のイメージに合う呼び方を選んではいかがでしょう。

月を眺めながら、月の名を持つ花を愛でる。そんな風流なひとときも、いいですね。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

9月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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