香りの散歩道


ハトを登場させたピカソ


墨絵・朝野泰昌

鳥のように空を飛べたら、みなさんはどんな景色を見てみたいですか。

5月10日から16日は「愛鳥週間」です。
私たちの身近にいる野鳥といえば、スズメやハトを思い浮かべる方も多いことでしょう。

ハトは、古代ギリシヤの時代から「平和の象徴」とされてきましたが、そのイメージを世界中に広めた・・・と言われている人物がいることをご存知ですか。

20世紀を代表する芸術家、パブロ・ピカソです。

1949年の春にパリで開催された、「世界平和評議会」のポスターのため原画を任されたピカソは、ハトの絵をかきました。
版画で制作されたこの作品は、当初50部ほど刷られましたが、さらに写真で複製したポスターとなり、ピカソが描(えが)いたハトは、世界中に飛び立っていきました。

そして、その年に生まれた自分の娘にも、スペイン語でハトという意味の「パロマ」と名付けたのです。

ピカソは、アトリエでもハトを飼っていました。
少年時代を過ごしたスペインの港町には、ハトが集まる広場があり、絵かきだった父親のまねをして、幼い頃からハトの絵をかいていたとか。
そのスケッチを見た父親が、才能をいち早く見ぬいて、画家になるよう応援したと言われています。

91歳でこの世を去るまで、自分の作品にたびたびハトを登場させたピカソ。
自らの手で世界平和のシンボルとなったハトは、彼にとって、いつも身近にいてくれた、生涯の友だったのかもしれませんね。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

5月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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