香りの散歩道


牛の嗅覚


墨絵・朝野泰昌

今年の干支は「丑」ですね。
昔むかし、十二支を決めるとき、歩みの遅い牛は誰よりも早く出発して一番乗りを目指したのですが、牛の背中に乗っていたネズミに、ひょいっと先を越れてしまった・・・という話は、皆さんもご存知でしょう。

それでも、ネズミに先を譲った牛には、温厚でおっとりした動物というイメージがあるようです。
そんな牛ですが、匂いを嗅ぎ分ける「嗅覚」は、とても鋭い動物なのだそうです。

はるか昔から草を食べて生きてきた牛たちは、牧草地で鼻をくんくんさせて、食べてもいい草と、そうでない草を嗅ぎ分けているのだとか。
野草の中には毒性を持つものもあるので、自分のカラダに害になりそうなものは、口に入れないようにしているのです。

牛の嗅覚が発達したのは、自然界で生きぬくための本能であり、身を守るための武器なのですね。

また、食べるものだけでなく、初めて見るものに対しても、とりあえず匂いを嗅いでみる習性があるようです。
初対面の牛同士は、よく鼻を寄せ合っているそうで、お互いの匂いを覚えることが、挨拶がわりになっているのかもしれません。

鼻が利く犬たちは、人間の1億倍まで匂いを感知できるそうですが、その犬よりも優れていると言われる牛の嗅覚。
丑年の今年は、私たちもいろいろなことに鼻を利かせて、いい出会いを嗅ぎ分けていきたいですね。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

1月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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