香りの散歩道


キンダーフェスト


墨絵・朝野泰昌

もうすぐクリスマス。イエス・キリストの生誕を祝う日ですね。

私の知り合いに、12月25日に生まれた人がいるのですが、子どものころから、クリスマスプレゼントと誕生日プレゼントを合わせて、一つしかもらえなかった・・・と残念がっていました。

誕生日といえば、バースデーケーキに年の数ほどロウソクを立てて、ひと息でふっと吹き消すと、願いが叶うと言われていますね。

一説によると、ケーキにロウソクを立てて祝う風習は、ギリシャ神話の時代からあったそうです。
それを復活させたのは、15世紀のドイツで行われていた「キンダーフェスト」だったとか。
キンダーフェストとは、子どものお誕生日会のことです。

当時、悪霊は子どもの誕生日を狙ってやって来ると言われていたそうで、誕生日を迎えた子どもを守るために、たくさんの人が集まりました。

そして、みんなの願いが神様に届きますようにと、ケーキの上に大きなロウソクを立てて、一日中、火を灯していたそうです。
こうして誕生日の一日が無事に終わると、集まった人たちでケーキを切り分けて食べました。

この世のあらゆる災いから子どもを守り、すこやかな成長を心から願う、先人たちの思いがこもった風習だったのですね。
ほっぺたをふくらませて、思いっきりロウソクを吹き消す。
これまで何度も目にしてきた誕生日の光景が、よりいっそう心あたたまるものになりそうです。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

12月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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