今日は「全国すしの日」という、おすしの記念日です。 実りの秋に感謝を込めて、おいしいおすしを召し上がりませんか。 握りずしや巻きずし、ちらしずしなど、日本各地に伝わるおすしは今や、世界中の人たちに知られる日本の伝統料理ですね。 これらのおすしの歴史をさかのぼると、奈良時代にはすでに作られていたという「なれずし」にたどり着きます。 私たちが食べ慣れている新鮮な生魚で作るおすしとは違って、「なれずし」は魚を長期保存するための知恵から生まれた発酵食品です。 1300年の時を経た今も現存する日本最古の「なれずし」があるのですが、それは、滋賀県の琵琶湖周辺に伝わる「鮒(ふな)ずし」です。 日本で一番大きな湖、琵琶湖では、ニゴロブナという鮒が大量にとれていたため、「鮒ずし」が発展したのだとか。 この地に伝わる「鮒ずし」の作り方は、ニゴロブナを塩漬けにして、ご飯の中に数か月から1年くらい漬け込んで発酵させます。 そうすると、魚は骨までやわらかくなり、ご飯はどろどろに溶けた状態になるので、食べるときにはご飯を取り除いて魚だけを薄く切り、独特の味と香りを楽しみます。 琵琶湖のニゴロブナが減った今は、とても貴重なものになりましたが、昔は家庭料理として親しまれていたそうです。 日本のお寿司の原点は、魚の日持ちを良くするための発酵食品だったのですね。
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