香りの散歩道


心に染みる大和言葉


墨絵・朝野泰昌




香り高い言葉、匂い立つような言葉づかい・・・日本語には、そうした形容詞がふさわしい、美しく豊かな言葉がたくさんあります。

その多くは、日本古来の「大和言葉(やまとことば)」ではないでしょうか。
ここ数年、大和言葉の良さが見直されているようですね。

日本語には、大きく分けて3つの種類があることをご存じですか。
中国から伝わって来た漢語。
カタカナで表記されることが多い外来語。
そして、はるか昔、日本で生まれた大和言葉です。

同じような意味を持つ言葉でも、大和言葉は柔らかく、心に染みる余韻があるような気がします。

たとえば、「春の香りに思いを馳せてみませんか」という時の「思いを馳せる」は大和言葉です。
漢語では「想像する」、外来語では「イメージする」という言葉に置き換えられますが、「思いを馳せる」という大和言葉にすると、頭の中に広がる世界に奥行きが出るような気がしませんか。

安心したときには「胸をなでおろしました」、感動してうるうるしたときには「目頭が熱くなりました」という言葉も使ってみてはいかがでしょう。

普段の会話に若者言葉があふれるなか、古風な言い回しの大和言葉はかえって新鮮に聞こえる・・・という若い人たちも多いとか。
こうした言葉を口にしているうちに、身のこなしや人との接し方も、柔らかく丁寧になるかもしれませんね。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

2月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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