香りの散歩道


扇子のマナー



墨絵・朝野泰昌

節電の夏を快適に過ごすエコグッズとして、扇子を持ち歩く人が多くなりましね。


涼やかな絵柄の扇子を優雅にあおぐ姿は、見ているほうも清々しい気分になるものです。

その一方で、周囲の人への配慮が足りない使い方には、眉をひそめられる場合があります。
扇子のあおぎ方にもマナーがあることを、あらためて知っておきたいですね。

よく顔の前でパタパタとあおいでいる人を見かけますが、扇子を持つ位置はなるべく下のほう、胸のあたりから静かにあおぐようにしましょう。
それは、自分をあおいだ風が周りの人にかからないようにする心づかいです。

「涼しい風をおすそ分けするのだから良いのでは・・・?」と思われるかもしれませんが、他人の汗やにおいを感じるような風は、不快なだけですよね。

以前、こんな話を聞きました。
隣に居合わせた人が、白檀の香りがする扇子を広げてあおぎだしたところ、その人がつけていた香水の香りと混ざって強烈なにおいに。
本人は気づかずに涼しい顔をしていましたが、隣の人は気分が悪くなって、席を離れたそうです。

香りの害「香害(こうがい)」をふりまかないような扇子づかいも、心得ておきたいものですね。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。


*このコーナーは毎週水曜日に日本海新聞で掲載しています



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