「初聞香(はつもんこう)」や「聞香始(もんこうはじめ)」と呼ばれるお稽古始めには、着物を着る方が多いようです。
聞く香りと書いて「聞香」。
香道では、香りを嗅ぐことを、香りを「聞く」といいます。
この言葉には、お香の香りをただ嗅ぐのではなく、心を傾けてゆっくり味わう・・・という意味が込められているとか。
五感を研ぎ澄ましてお香の種類を聞き分ける、香道にふさわしい言葉ですね。
そうした繊細な香りを味わう場所ですから、お香の席ではしてはいけない約束事があります。
それは、自分が身につけている香りを持ち込むこと。
着物でおしゃれを楽しむときには、みだしなみとして匂い袋をしのばせる方も多いようですが、お香の席やお茶席では慎みましょう。
もちろん、そうした席を離れたときには、着物姿に合う香りを身にまとうのは、とても素敵です。
いつもは香水やオーデコロンをつけている人も、匂い袋などで「和」の香りを楽しんではいかがでしょう。
日本語の「香り」という言葉には、「つややかな美しさ」という意味があります。
TPOに合わせてそこはかとなく漂う香りは、あなたをきっと、より美しく演出してくれることでしょう。
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