香りの散歩道


アニスはクリスマスの香り


墨絵・朝野泰昌
クリスマスが近づくと、ヨーロッパの街はスパイスの香りに包まれます。

それぞれの国に伝統的なクリスマスのごちそうがあり、そのレシピには欠かすことのできないスパイスがあるからです。

たとえば、イギリスの「クリスマス・プディング」は、何種類ものドライフルーツと、シナモン、ナツメグ、ジンジャーなどの
スパイスをたっぷり入れて焼く、

日持ちのするケーキ。

ドイツの「レープクーヘン」は、ハチミツとアニスやクローブ、カルダモンなどのスパイスで風味づけをする、クリスマスの焼き菓子です。

アニスは、清涼感のある甘い香りが特徴のスパイスで、ドイツでは、ワインをあたためた冬の飲み物「グリューワイン」を作るときにも使われます。
香りの強さから、日本では好き嫌いが分かれるようですが、ヨーロッパではその香りに魔除けのチカラがあるといわれているとか。

また、胃のもたれや口臭を防ぐ効果もあるといわれ、古代ローマでは、豪華な宴会料理のあとのデザートにアニス入りのケーキを食べていたそうです。

一説によると、結婚式でウエディングケーキをゲストに配るのは、このアニスケーキのもてなしにルーツがあるとか。
幸せを分かち合うだけでなく、食後に消化を助ける心づかいだったのですね。

今年のクリスマスは、アニスの香りがするデザートづくりに挑戦してみませんか。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

12月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。

*このコーナーは毎週水曜日に日本海新聞で掲載しています



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