香りの散歩道


着物美人に愛されてきた匂い袋


墨絵・朝野泰昌
カラコロカラコロ、下駄の音も涼やかな浴衣姿で、夕暮れの街をそぞろ歩く・・・。

この季節ならではの楽しみですね。


普段は着物になじみのない方も、浴衣なら気軽に袖を通せるのではないでしょうか。
 

夏祭りや盆踊りだけでなく、夏着物として着られそうな柄や素材を選べば、立派なおでかけ着にもなります。
その場合は、半襟を付けて足袋をはきましょう。
胸元と足元の白が、目にも涼しい着物美人の出来上がりです。 
 
そして、和の装いには、和の香りを。せっかくですから、匂い袋などお香の香りをまとって出かけてみませんか。
 
品のある香りをそこはかとなく漂わせるためには、匂い袋をそのまま身につけるのではなく、移り香を楽しんではいかがでしょう。
たとえば、箪笥の中に匂い袋を入れて浴衣に香りを移したり、ハンカチなどの小物に香りを移して、手さげ袋から出すたびに、ふわっと香らせるのも優雅ですね。
 
最近は、帯飾りにできる小さな匂い袋も人気があるそうで、こちらは、歩くたびにゆらゆら揺れて香りを楽しむことができます。
 
また、匂い袋の香りには防虫効果や消臭効果もあるので、昔から、虫や汗が気になる季節には特に重宝されてきました。
 
背筋を伸ばし、夏も涼しい顔をした、着物美人に愛されてきた和の香り。一度身につけたら、手放せなくなるかもしれませんね。



*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。



*このコーナーは毎週水曜日に日本海新聞で掲載しています



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