香りの散歩道



香り・かぐわしき名宝展




墨絵・朝野泰昌

「香り・かぐわしき名宝展」と題した展覧会が、東京藝術大学大学美術館で開催されています。

「かぐわしい」という言葉には、「良い香りがする」という意味のほかに、「心がひかれる、好ましく思う、素晴らしい」という意味があります。

さて、この展覧会では、どんなかぐわしい宝物に出会えるのでしょうか。 


平安時代に栄えた王朝の香り文化を物語る工芸品をはじめ、室町時代、茶道や華道とともに発展した香道で使われた香道具の名品。
匂い立つように美しい絵画の数々は、「描かれた香り」をテーマに選び抜かれた名作です。
 
月の光に照らされた、梅の花の気高さを描いたのは、大正時代から昭和にかけて活躍した日本画家、速水御舟(はやみ・ぎょしゅう)。
近代の美人画家として有名な鏑木清方(かぶらき・きよたか)の名作「伽羅(きゃら)」は、お香を焚いて髪に香りを移す枕、香枕(こうまくら)で目覚めたばかりの艶やかな女性が描かれています。
 
香りを嗅ぐことを、香道では“聞く”といいますが、この展覧会では、香りを“見る”ということに挑戦したそうです。
展示されている美術品と向き合って、そこに漂う見えないはずの香りを見る・・・。
そのためには、自分の中にある香りの記憶や想像力が頼りです。

5月29日まで、東京藝術大学大学美術館で開催中の「香り・かぐわしき名宝展」。
皆さんも五感を研ぎ澄ませて、香りを見てみませんか。





*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

5月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。

*このコーナーは毎週水曜日に日本海新聞で掲載しています



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