香りの散歩道


リラックス効果がある高野槙


墨絵・朝野泰昌
玄関にお香を焚いてお客様を出迎えたり、香り高いお茶でひと息ついていただいたり・・・。

日本旅館の香りのおもてなしは、海外からのお客様には特に喜ばれるそうです。

香りにこめた心づかいは、言葉を超えた世界の共通語かもしれませんね。

ある日本の航空会社では、高野槙(コウヤマキ)の精油をブレンドした香りを、ファーストクラスのおしぼりに吹きかけたり、機内に漂わせて乗客をもてなしています。

高野槙は日本固有の針葉樹で、和歌山県の高野山で多く見られることから、その名がついたとか。

昔から、浴槽や風呂桶などを作る高級な風呂材として珍重された木で、清々しいその香りにはリラックス効果があるといわれています。
高野槙のアロマオイルも商品化されていますから、部屋に漂わせれば、ゆったりとした時間が過ごせそうですね。 
 
また、庭園に植えられることも多い木で、世界三大造園木の一つに数えられています。
ちなみに、あと二つは、ヒマラヤ杉とアロウカリア。どれも一年中、緑の葉をつけている常緑樹です。
 
そして、高野槙は、秋篠宮家のご長男・悠仁(ひさひと)さまのお印でもあります。
日本の皇室では、その方の象徴となる樹木や花のお印があり、「大きく、まっすぐに育ってほしい」という思いをこめて、高野槙が悠仁さまのお印に選ばれたそうです。
 
日本の気候風土が生んだ香り高い木々のことを、もっと知りたくなりますね。



*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。



*このコーナーは毎週水曜日に日本海新聞で掲載しています



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