香りの散歩道 |
「南の島の星の砂」 |
墨絵・朝野泰昌 |
味わい深い日本語、日本人として忘れたくない言葉に、あらためて出会える本があります。 小学館から発行されている『美しい日本語の辞典』。 後世に残したい日本語をはじめ、 雨や風など、日本の自然を表わす言葉の数々が収録され、その中には「香り」にまつわる日本語もたくさんあります。 |
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たとえば、香りの風と書いて「香風(こうふう)」と読む、なんとも風流な言葉は、花などに吹いて香りを含んだ風のこと。 「芳(かんば)しい」という言葉は、香りが高い、においが良いという意味に使われ、バラの花のような強い香りが満ちあふれる様子を表わしています 。 「香(かぐわ)しい」という言葉も、同じく香りが高いという意味ですが、「芳しい」よりは穏やか で上品な香りを表わしているとか。 それが転じて、心がひかれる、好ましく思うという意味にも使われるようになりました。 また、「きな臭い」という言葉は、布や紙など植物性のものが焦げるようなにおいを表わし、何となくあやしい、うさんくさいという意味にも使われます。 香りにまつわる日本語は、奥が深いですね。 まだまだ紹介したい言葉はありますが、それはまた別の機会に。 『美しい日本語の辞典』をめくると、日常会話ではあまり使われなくなった言葉の魅力を、見直す人も多いのではないでしょうか。 |
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