「今日のお相手は、私、木村匡也です。 今年も、あと2日で終わろうとしています。 いろいろあった一年を振り返る時間は、持てそうですか。 そのなかに、香りにまつわるほっこりした記憶があれば、幸いです。 とは言え、マスクをしている時間が長いと、そこはかとなく漂う香りには、気づきにくいかもしれませんね。 それでも、花は咲き、鳥は歌い、木々をわたる風は、季節の香りを窓辺に届けてくれました。 ふとした瞬間、香りの変化に気づいて、何があっても季節はめぐり、時は流れてゆくことを、あらためて感じた方もいらっしゃるでしょう。 明治、大正、昭和の時代を生きぬいた俳人、高浜虚子(たかはま・きょし)は、年の暮れにこんな句を詠んでいます。 去年今年 貫く棒の 如きもの (こぞことし つらぬくぼうの ごときもの) 去年(きょねん)から今年へ、年が改まっても、人生は時を貫く一本の棒のように続いてゆく・・・。 そんな解釈をする人や、自分の信念を貫く決意を棒にたとえた、と読み解く人もいる味わい深い句です。 去年今年(こぞことし)を貫いて、あなたが大切にしたいことは何ですか。 さて、今年の『朝野家・香りの散歩道』は、これで締めくくらせていただきます。お忙しいなか、お付き合いいただきありがとうございました。 どうぞ、よい年をお迎えくださいませ。 来年もまた、ラジオでお会いしましょう。
*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中 ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。
12月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。
*『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、
毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。