「「年末年始は温泉で」と、ゆったりした年越しを望んでおられる方も多いことでしょう。 一年の垢をしっかり落として、新しい年を気持ちよく迎えるために、大晦日にお風呂に入ることを「年の湯」といいます。 お湯につかりながら、一年の出来事をしみじみ振り返ってみる。そんな時間を持てるといいですね。 「年の湯」で、人間が身も心もさっぱりするように、暮らしを支えてくれている住まいも、感謝を込めてきれいにしたいものです。 江戸時代には、毎年12月13日が、煤払い(すすはらい)の日と決められていました。 一年の間にたまった煤(すす)や埃(ほこり)を払い清める日です。 お城をはじめ神社仏閣、商家なども、この日に煤払いをしたため、まちじゅうが大掃除モードになっていたようです。 これなら、あれやこれやと予定を詰め込みがちな師走でも、大掃除を後まわしにすることはなかったでしょう。 当時の煤払いの様子を描いた浮世絵を見ると、ちょっとしたお祭り騒ぎのようです。 煤でカラダが真っ黒になるほど、よく働いたという証で、煤払いのあとは銭湯に行って汚れを落としたとか。 さぞかし、気持ちよかったでしょうね。 大きな商店などでは、湯上りの店員たちに、夜、ご祝儀のお酒がふるまわれることもあったそうです。 年神さまを迎えるための大掃除を、ちょっと楽しみなイベントにした先人の知恵は、私たちも見倣いたいものですね。
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12月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。
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