香りの散歩道


春眠暁を覚えず


墨絵・朝野泰昌

いつの間にか季節は変わり、今週の土曜日、3月20日は「春分の日」ですね。
私たちの暮らしと共にある自然に感謝して、春の訪れを祝う日。
冬を越して目覚めた動物や植物たちが、春の光を浴びながら、いのちを輝かせる時期でもありますね。

さて、みなさんのお目覚めは、いかがですか。
昔の人は「春眠暁を覚えず」と言いました。
春の夜は、まことに心地よく眠れるので、朝が来たことにも気づくことなく、ついつい寝過ごしてしまう・・・。
「そうそう。春に寝坊をするのは仕方がない」と、同じような思いをされている方の声が、どこからか聞こえてきそうですね。

今から1300年ほど前、唐の時代の詩人・孟浩然(もうこうねん)によって書かれたといわれる「春眠暁を覚えず」。
この言葉には、続きがあることをご存知ですか。
目を覚ますと、鳥のさえずりがあちこちから聞こえてくる。
そういえば、夕べは雨や風の音が激しかったけれど、庭の花はどれほど散ってしまっただろうか・・・。

寝過ごして目覚めたら、少しは慌てそうなものですが、鳥や庭の花のことを気にかけるとは、なんと優雅なこと。
孟浩然は、自然をこよなく愛した詩人として知られているので、このような朝を迎えることができたのかもしれません。

みなさんの春眠は、どのような目覚めをお望みですか。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

3月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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