香りの散歩道


二十日正月


墨絵・朝野泰昌

今日、1月20日は、「二十日正月」と呼ばれています。

お正月気分は、もうすっかり抜けた頃かもしれませんが、昔は二十日がお正月の祝い納めの日とされていました。
祝い魚として振る舞われた鰤や鮭なども、この日にはもう食べ尽くして骨だけになっていることから、「骨正月」と呼ばれることもあるとか。

地域によっては、魚の骨や頭を大根などの冬野菜と酒粕で煮たものを食べる風習もあり、先人たちは縁起物を骨まで味わい尽くしたようです。

また、二十日正月には、麦飯にとろろ汁をかけて食べる地域もあります。
米の次に大切な主食だった麦を食べることで五穀豊穣を願い、消化によいとろろをかけることで、疲れた胃腸を休めていたのでしょう。

おせち料理にはじまり、七日の朝の七草粥、鏡開きのぜんざい、小正月の小豆粥、そして、二十日正月に食べるとろろ麦飯など。

一月の暦を振り返ってみるだけでも、さまざまな行事食の伝統が今に受け継がれています。
自然の恵みに感謝しながら、縁起のいいものを食べて厄を祓い、体調を崩しやすい季節の変わり目も、カラダにいい食べものでしっかりと乗り切る。

折々の行事食には、家族みんながすこやかに生きるための知恵が詰まっているのです。

今年も一年、先人の知恵を受け継いで、よく食べ、よく笑い、元気に過ごしたいものですね。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

1月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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