香りの散歩道


さ、お茶にしましょうか

墨絵・朝野泰昌

「さ、お茶にしましょうか」。
秋風が吹く頃になると、この言葉であったかい気持ちになる方も多いことでしょう。

お茶を淹れるための道具はいろいろありますが、日本では昔から、「これでお湯を沸かすと、まろやかになる」と言われているモノがあります。
近頃は、ヨーロッパなどでも静かな人気を呼んでいる、メイド・イン・ジャパンの生活道具「鉄瓶」です。

なかでも、伝統的な産地である岩手県の南部鉄器は、ご存知の方も多いことでしょう。
その歴史は、江戸時代、盛岡藩の藩主だった南部氏が、京都から職人を招いて、茶の湯の釜をつくらせたのがはじまりとされています。
つまり、茶人のための道具だったのですね。

やがて、茶釜を小ぶりにして、土瓶のように使いやすくした鉄瓶がつくられるようになり、湯沸かしの日用品として広まっていきました。

昔の人は、日常生活で鉄瓶を使うことにより、知らず知らずのうちに鉄分を補給して、丈夫なカラダを保っていた・・・という説もあるとか。
ちなみに、鉄分が不足すると疲れやすくなるそうなので、鉄瓶で沸かしたお湯を飲んで補給できるのなら、助かりますね。

先人の知恵と技が生んだ生活道具、鉄瓶を見直してみませんか。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

10月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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