香りの散歩道


万年筆の日


墨絵・朝野泰昌

今日、万年筆で書かれた手紙が届きました。
インクの匂いがするような筆跡から、人柄や思いやりがじんわり伝わってきて、あったかい気持ちになりました。
メールで何でも伝えらえる時代ですが、手紙を受け取るのは、やっぱり嬉しいですね。

今日9月23日は「万年筆の日」です。
1809年のこの日、英国人のフレデリック・バーソロミュー・フォルシュが、軸の中にインクを貯めておける筆記具を発明して、特許を取得しました。
これが、万年筆の始まりと言われています。

それから75年後、アメリカで保険の外交員をしていたルイス・エドソン・ウォーターマンが、万年筆のインク漏れを改善する仕組みを考案しました。
きっかけは、大口の契約を取るための大事な書類を、万年筆から漏れたインクで汚してしまったことだったとか。

大急ぎで新しい書類を持って来たものの、時すでに遅し。
ライバル会社に出し抜かれたあとでした。
この苦い経験から一念発起して、インクが漏れない万年筆を開発したのだそうです。

ウォーターマンはのちに「近代万年筆の父」と呼ばれるようになり、その技術は130年以上経った今も、多くの万年筆に受け継がれています。

万年筆のインクの匂いは好きな人も多いようですが、インク漏れをなくすために、力を尽くしてくれた人がいたのですね。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

9月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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