お盆休みにラジオを聴いてくださっている方も多いことでしょう。 さて、皆さんは「盆と正月が一緒に来たよう」という言葉から、どんな光景を思い浮かべますか。 楽しいことが重なってワクワクするときも、あれやこれやと忙しくて目がまわりそうなときにも、この言葉は使われますね。 家族や親戚と囲む、にぎやかな食卓の光景を思い浮かべた方。 そこに並んでいるのはきっと「盆と正月が一緒に来たようなごちそう」ではないでしょうか。 お盆の食卓には精進料理を・・・というお宅では、野菜を使った料理、たとえば「精進揚げ」とも呼ばれる野菜の天ぷらが、並んでいるかもしれませんね。 胡麻油を使ってカラッと揚げる天ぷらの歴史は、江戸時代の屋台からはじまったと言われています。 香ばしい匂いに誘われて、「ちょいと食べて行こうかな」と立ち食いができる、いわば江戸っ子のファストフードでした。 そのころ、胡麻や菜種から油をしぼる技術が発達して、食用油の生産量が増えたことも、天ぷらの普及にひと役買ったとか。 人気のネタは、海老や穴子など江戸前の魚介を揚げたもので、胡麻油の香りは、魚の臭みを消す役目も果たしていました。 その当時から、野菜を揚げたものは「精進揚げ」と呼ばれて、魚介の天ぷらとは区別されていたようです。 こんな話をしていたら、揚げ立てのアツアツを、サクッと食べたくなりそうですね。
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