香りの散歩道


愛林日


墨絵・朝野泰昌



今日4月3日は、かつて「愛林日(あいりんび)」と呼ばれた記念日でした。
愛する林の日と書いて「愛林日」。
その名の通り、木を植えて愛情を持って育てる、日本の植林活動の先駆けとなった記念日です。

きっかけは、明治28年にアメリカから来日したノースロップ博士が、本国で行われていた植林活動の大切さを伝えたことでした。
これを受けて、日本政府は全国の学校に「学校林」を設置するよう呼びかけたそうです。

時は流れ、昭和8年には4月2日から3日間を「愛林日」として、全国一斉に植林活動を行うことに。
戦時中は中断することを余儀なくされたそうですが、戦後に結成された森林愛護連盟によって、植林活動は再開しました。

焼け野原となった町に緑をよみがえらせることは、復興へと向かう人々にとって、大きな心の支えになったのかもしれませんね。
そして、「愛林日」に行われていた中央植樹行事は、昭和25年から現在の「全国植樹祭」に引き継がれています。

国土緑化運動の中心的な行事となった「全国植樹祭」は、今年で70回を迎えますが・・・
みなさんご存知のように、来年は島根県で開催されます。
大会のテーマは、「木でつなごう人と森との縁(えにし)の輪」。
「愛林日」の精神を受け継いだ縁の輪が、これからどのようにつながっていくのか、今から楽しみですね。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

3月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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