香りの散歩道


昭和の食卓


墨絵・朝野泰昌



今週の土曜日、4月29日は「昭和の日」です。
昭和を生きた世代から、昭和を知らない世代へ。
何かを伝えるとしたら、みなさんはどんなことを語り継ぎたいですか。

たとえば、おいしい香りの記憶までよみがえってきそうな、食卓の思い出話はいかがでしょう。

昭和17年生まれの雑誌編集者・高橋良枝(たかはし・よしえ)さんは、昨年、昭和の家庭料理にまつわるエッセイを出版しました。
タイトルは、『昭和ごはん』。明治生まれの祖母と、大正生まれの母親から受け継いだ料理の思い出を綴った本です。

終戦の年、3歳だった良枝さんにとって、食べ物の記憶は日本が復興していく歴史と重なっています。

戦後間もない頃、食卓にのぼっていたのは、さつま芋と麦のごはん。
物のない時代には、これが当たり前のごはんだったそうです。
やがて、季節の野菜や魚料理が並ぶようになり、いつしか洋食も家庭の味になっていきました。

そんな思い出を振り返ったとき、良枝さんが昭和の名脇役だと太鼓判を押すのは「ひじきの炒め煮」。
材料の乾燥ひじきと切り干し大根は保存がきくので、もう一品足りない・・・というときに助けてくれる、強力な控え選手だったとか。

近頃は、災害時などの非常食としても見直されている乾物ですが、昭和の食卓には欠かすことのできないものだったのですね。

さて、「昭和ごはん」という言葉を聞いて、あなたが真っ先に思い浮かべるのは、どんな料理ですか。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

4月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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