香りの散歩道


イタリアのたい焼き「スフォリアテッラ」


墨絵・朝野泰昌

 心までホカホカあたためてくれそうなおやつ、たい焼きがちょっとしたブームになっていますね。

たい焼きの元祖といわれる店が創業百年を迎えたことから、今年は「たい焼き誕生百周年」だとか。

 そんなことも影響しているのでしょうか、餡も皮も昔ながらの味にこだわる老舗のたい焼きが根強い人気を集めている一方で、新顔のたい焼きも次々に登場しています。

米粉やタピオカ粉を使った白い皮のたい焼き。
餡のかわりにカスタードクリームやチョコレート、スイートポテトが入ったものもあります。
伝統のたい焼きと新顔のたい焼き。皆さんはどちらがお好きですか?

海を越えて、南イタリアには、鯛の形ではなく貝殻の形によく似た人気のおやつがあります。
名前は「スフォリアテッラ」。
地中海に面したリゾート地、アマルフィ海岸で4百年以上も前に生まれ、愛され続けている焼き菓子です。
たい焼きは百周年ですから、さらに歴史のあるおやつなのですね。

スフォリアテッラとは、イタリア語で「ひだを何枚も重ねる」という意味。
その名の通り、パイ状の薄い生地を何層も重ね、リコッタチーズとオレンジピールを練り込んだクリームを詰めて、オーブンでサクサクに焼き上げます。
エスプレッソやカプチーノとの相性も抜群。日本にも上陸して、スイーツファンの注目を集めています。

日本で愛されているたい焼きと、南イタリアからやって来た貝殻の形のスフォリアテッラ。食べ比べてみたくなりませんか。



*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。



*このコーナーは毎週水曜日に日本海新聞で掲載しています



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