香りの散歩道 |
墨絵・朝野泰昌 |
バレンタンデーの今日は、チョコレートの甘い香りに包まれる1日になりそうですね。 世界で活躍するショコラティエが手がけた宝石のようなチョコレートや、オーガニックな素材でつくった人にも自然にもやさしいチョコレートなど。 この時期は、特別な味に出会えるチャンスでもあります。 その一方で、チョコレートを使った昔ながらのお菓子も、根強い人気があるようです。 エクレアも、その一つ。 細長い形のシュークリームの上から、チョコレートをかけたものです。 みなさん、おなじみですよね。 もともとは、エクレール・オ・ショコラというフランスのお菓子で、日本でつくられるようになったのは明治時代のこと。 明治生まれの作詞家・西条八十(さいじょう・やそ)が、昭和のはじめに発表した『お菓子と娘』という歌にも登場します。 お菓子の好きなパリの娘たちが、ふたりでいそいそとエクレールを買いに行き、腰もかけずにむしゃむしゃ食べている・・・という楽しい歌です。 エクレールの甘い香りと、パリジェンヌの笑顔が輝く、街角の光景を想像しただけでも、幸せな気分になりませんか。 この歌詞を書いた西条八十は、学生時代にフランス留学を経験したことがあり、パリで暮らしたときの思い出が、歌に綴られているのではないでしょうか。 エクレールは、フランス語で「光り輝く、稲妻」という意味があるそうです。 パリジェンヌの自由な行動を見た彼も、まぶしいほどの衝撃を受けたのかもしれませんね。 |
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毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。 香りの散歩道TOPへ / TOPへ / 歳時記へ |