香りの散歩道


正月事始めの日

墨絵・朝野泰昌
今日は、「正月事始め」の日。
新しい年に幸せをもたらしてくださる、年神様を迎えるための準備を始める日です。

昔はこの日に、松や竹を山に伐りに行く風習がありました。
お正月に飾る門松などをつくるためです。
松は、神様が降臨される依代(よりしろ)といわれており、この風習は「松迎え(まつむかえ)」とも呼ばれています。

地方によっては、おせち料理の煮炊きに使う、薪にするための木も伐っていたとか。
大変な作業ではありますが、山に入り、清々しい樹木の香りに包まれて、自然の恵みに感謝する一日だったのでしょうね。

また、「正月事始め」は、家のすみずみまできれいにして年神様を迎える、「煤払い」の日でもあります。

煤払いは、今でいう大掃除のこと。
「一気にやらねば」と思うと億劫になってしまい、なかなか重い腰が上がらないという方は、できるところから、ぼちぼち始めてはいかがでしょう。
そうして、掃除を終えた頃には、心まできれいになったような気がしませんか。

俳句の世界では、「煤払い」は今の季節を表す季語です。正岡子規(まさおか・しき)は、こんな句を詠みました。

一年の 心の煤を 払はばや

(いちねんの こころのすすを はらわばや)

今年、いつの間にかたまってしまった心の煤も、きれいさっぱり払いたいものですね。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



香りの散歩道TOPへ
 /  TOPへ  / 歳時記へ