香りの散歩道 |
墨絵・朝野泰昌 |
師走の声を聞くと、あるクラシックの名曲を思い出します。 「歓喜の歌」として知られる、ベートーヴェンの交響曲第九番、第九(だいく)。 その力強い歌声が、山陰にも響き渡る季節になりましたね。 「県民手づくり第九コンサートin 島根」や、「県民による第九 鳥取公演」に、合唱や演奏で参加される方もいらっしゃることでしょう。 この曲が初めて演奏されたのは1824年、今からおよそ200年前のことです。 ベートーヴェンは、ドイツの詩人シラーが書いた「歓喜に寄せて」という詩に感銘を受けて、曲をつけたいと思い立ち、第九を作曲したといわれています。 シラーの詩を合唱用の歌詞にするため、ベートーヴェンが自ら言葉を足した部分もあったとか。 ドイツのベルリン国立図書館には、ベートーヴェンが残した自筆の楽譜が所蔵されています。 一度書いた音符の上に、修正が加えられた楽譜は、お世辞にも読みやすいとは言えません。 その苦悩の跡が、名曲が生まれるまでの過程を想像できる、貴重な資料になっているそうです。 この楽譜は、ユネスコの「世界の記憶」に登録されています。 記憶にとどめておきたい歴史的文書などを、保存して公開する取り組みです。 山陰で開かれる第九のコンサートも、大切な記憶を未来へ伝える役割を、担っているのでしょうね。 |
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毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。 香りの散歩道TOPへ / TOPへ / 歳時記へ |