香りの散歩道


原爆投下の日

墨絵・朝野泰昌
8月6日の広島と、8月9日の長崎。
原爆投下から78年経った今も、決して忘れてはいけない日ですね。

子どもたちが、読みたい本を自由に読める。
これも、平和であるからこそ、できることではないでしょうか。
1946年の8月6日、広島で『ぎんのすず』という児童雑誌が誕生しました。
原爆で街が焼け野原になってから、ちょうど1年後のことです。
この街で授業を再開した教師たちによって、創刊されました。
子どもたちが本を読みたくても、まだまだ手に入りにくかった時代のことですから、最初は両面刷りのタブロイド版だったそうです。
ところが、その2カ月後には、きちんと製本された雑誌として発行されました。

当時としては上質な紙が使われ、色つきのページもあったとか。
その印刷を手がけたのも、広島の会社です。
子どもたちが熱心に本を読んでいる姿を見て、「日本を再建するために児童雑誌をつくろう」という気持ちで取り組んだそうです。

執筆者には、広島にゆかりのある作家だけでなく、詩人のサトウハチローさんや漫画家の長谷川町子さんなども加わり、『ぎんのすず』の人気は全国へと広がりました。

毎月100万部以上刷られた時期もあったそうで、復興する日本で育った当時の子どもたちに、夢や希望をもたらしてくれた雑誌だったのです。

新しい本を手にしたときの匂いにも、子どもたちはきっとワクワクしたことでしょうね。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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