香りの散歩道


レモンの香り

墨絵・朝野泰昌

瀬戸内の太陽を浴びながら露地栽培で育った、レモンの収穫がはじまる季節です。

ここ数年、レモンのスイーツやレモンサワーの人気が、急上昇しているようですね。
すっぱさと爽やかな香りで、ファンを増やしているレモンですが、文学の世界にもたびたび登場しています。

レモンを題材にした詩や歌詞といえば、記憶に新しいのは、米津玄師さんのヒット曲『Lemon』でしょう。
レモンの匂いを「苦い」と歌った歌詞が、とても印象的でした。

時をさかのぼって・・・今日は、明治生まれの詩人、高村光太郎の『レモン哀歌』という詩の一節を紹介しましょう。

わたしの手からとつた一つのレモンをあなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気(こうき)が立つその数滴の天のものなるレモンの汁は、ぱつとあなたの意識を正常にした

宝石のトパアズのような色をした香りとは、どんなものなのか。
想像力をかきたてられませんか。
この詩に出てくる「あなた」とは、高村光太郎が愛した妻、智恵子のことです。

昨日、10月5日は、智恵子がこの世を旅立った日。
光太郎の詩に心を動かされた人々によって、いつしか「レモンの日」と呼ばれるようになりました。

レモンの香りを、宝石にたとえた高村光太郎。
もしも皆さんがレモンの香りを何かにたとえるとしたら、どんなイメージがわいてきますか。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。


10月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



香りの散歩道TOPへ
 /  TOPへ  / 歳時記へ