香りの散歩道


涙でかいたねずみ


墨絵・朝野泰昌
 

ねずみ年の今年。
年女・年男の皆さんの中には、節分の豆まき役を務める方もいらっしゃることでしょう。
年神様のご加護を受けて、思いっきり福を呼び込んでくださいね。

さて、歴史を遡ると、室町時代に活躍したある芸術家も、ねずみ年に生まれたと伝えられています。

その人物の名は、雪舟。
禅宗の僧侶で日本を代表する水墨画家、そして、素晴らしい庭づくりを手がけた作庭家でもあります。

雪舟といえば、ねずみにまつわる少年時代の逸話が有名ですね。
幼くして禅寺に入った雪舟は、修行はそっちのけで、大好きな絵ばかりかいていました。
困った住職は、ある朝、心を入れ替えさせようと本堂の柱に雪舟を縛り付けてしまいます。

夕方、住職が様子を見に行くと、雪舟の足元に一匹の大きなねずみがいるではありませんか。
追い払おうとしても、ねずみは動きません。
それは、雪舟が流した涙を足の指につけて、床にかいたものだったのです。その才能に驚いた住職は、雪舟が絵をかくことを許してくれました。

この「涙でねずみの絵をかいた」というくだりは、のちの世に創作されたという説もあります。
けれど、偉大な芸術家である雪舟にどこか親しみを感じる人が多いのは、この逸話のおかげかもしれませんね。

ねずみ年生まれの雪舟は、今年、生誕600年を迎えます。
国宝に指定された水墨画や、山陰にもある雪舟庭園の魅力が、あらためて注目されそうですね。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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