香りの散歩道


水の仙人


墨絵・朝野泰昌
 

七草も過ぎて、お正月気分も一段落した頃ではないでしょうか。

なかには、年賀状の返事をまだ書いていなくて、寒中見舞いで新年の挨拶を・・・という方もいらっしゃるでしょう。

この「寒中」という言葉を使うのにふさわしい時期は、いつまでかご存知ですか。
一般的には、立春の前の日。
つまり、節分までと言われています。今年は2月3日ですから、それまでには届くように出したいですね。

寒中見舞いのハガキに添える、絵のモチーフとして選ばれることが多い、水仙の花。

日本では、この時期に咲く香り高い花で、「寒水仙(カンスイセン)」や「寒咲き水仙(カンザキスイセン)」、雪の中の花と書く「雪中花(セッチュウカ)」とも呼ばれています。
寒さに絶えてまっすぐに立つ、凛とした花の姿が浮かんでくるような呼び名ですね。
そして、透明感のある香りも、冬に咲く花の美しさを際立たせています。

また、水仙はその昔、水辺を好む清らかな植物だったことから、「水の仙人(せんにん)」にも例えられたとか。
江戸時代には仙人(せんにん)を「やまびと」と読んで、こんな歌も生まれました。

ふりかくす 雪うちはらひ 仙人(やまびと)の名もかぐはしき 花を見るかな

降り積もった雪を手で払い、かぐわしい名前の花を見ている・・・そんな光景とともに、水仙の香りまで漂ってきそうな歌ですね。

時は流れて、令和の時代に咲く水仙の香りを、皆さんもそっとかいでみませんか。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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