香りの散歩道


理想の家


墨絵・朝野泰昌
 

衣・食・住。私たちが生きて行くために必要なものですが 、あなたにとって最も思い入れがあるのは、どれですか。

10月は、住まいのことを考える「住生活月間」です。思 い入れがある方も、そうでない方も、理想の家を想像して みませんか。

明治30年に生まれ、平成までの98年間をたくましく生 きて、生涯に自分の家を10軒以上も建てた女性がいます 。

作家であり、婦人雑誌の編集者や着物デザイナーとしても 活躍した、その人の名は宇野千代(うの・ちよ)。

恋多き女性でもあった宇野さんが、自らの半生を綴ったエ ッセイには、まるで恋人に会うための洋服を誂えるように 建てた、家のことが綴られています。

20代で建てた小さな赤い屋根の洋館は、東京駅のステー ションホテルに憧れて、インテリアを真似した家だったと か。

また、ある時は京都の桂離宮に感銘を受け、竹やぶのある 広い土地を借りて日本家屋を建てたこともありました。け れど、その家にはほとんど住むことがなく、久しぶりに行 ってみると、表座敷の畳と畳の間から筍がにょきっと頭を 出していたとか。

そんな失敗も笑い話にしながら、宇野千代さんは自分の思 い通りに建てたいくつもの家のことを、「奇妙な家ばかり であった」と書いています。夢をカタチにする行動力と経 済力があってこその、奇妙な家づくりだったのでしょうね 。

さて、みなさんはどんな理想の家を建ててみたいですか。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

10月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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