香りの散歩道


暑い夏の過ごし方


墨絵・朝野泰昌



そろそろ衣替えの季節ですね。

衣類を夏ものに替えるように、住まいを夏仕様に替えることを、京都では「建具替え(たてぐがえ)」と言うそうです。

四方を山に囲まれた京都の夏は、蒸し暑いことで有名ですね。
京町家と呼ばれる木造の家屋では、六月になると「建具替え」をする風習が、今も受け継がれています。
そこには、自然の素材を活かして暑さをしのぎ、快適に暮らす先人の知恵と工夫が詰まっているとか。

たとえば、ふすまや障子をはずして、竹や葦(よし)で編んだ簾(すだれ)をはめ込んだ、簾戸(すど)に取
り替えます。
葦戸(よしど)とも呼ばれるこの建具は、風通しがいいだけでなく、強い日差しを遮ってくれる優れもの。

そして、足元には、ひんやりとした感触が気持ちいい籘の敷物を敷いて、麻の座布団を置けば、目にも涼しい夏座敷の出来上がりです。

これをお手本にして、すべてを整えることはできなくても、一つ、二つと、涼やかな自然素材を部屋に取り入れるだけで、夏座敷の趣(おもむき)を楽しむことはできそうです。

今からおよそ700年前、『徒然草(つれづれぐさ)』という随筆を書いた吉田兼好(よしだ・けんこう)は、「家のつくりようは夏をもって旨とすべし」と言いました。
家をつくるには、夏の過ごしやすさを優先すべきだ。
冬はどんなところでも住めるけれど、暑いのは耐えられない・・・。

この助言には、夏の暑さが年々厳しくなっている今こそ、耳を傾けたほうが良さそうですね。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

5月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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