香りの散歩道


御薬園・小石川養生所


墨絵・朝野泰昌



1875年の今日、日本初の近代的な植物園「小石川植物園」が開園しました。
この場所はもともと、江戸幕府が薬草を育てるためにつくった御薬園(おやくえん)だったそうです。

江戸のまちに暮らす人がどんどん増えて、マンモス都市の住人を病から救うための薬も、大量に必要となったのでしょう。
御薬園の中には、庶民が医師に診察をしてもらえる診療所もあり、「小石川養生所」と呼ばれていました。
この名前を聞いて、ピンとこられた方もいらっしゃるでしょう。

山本周五郎さんの短編小説を、黒澤明監督が映画化した『赤ひげ』は、この小石川養生所を舞台にした物語です。

そして、時代は明治へ。
江戸幕府の小石川御薬園は、明治政府の文部省が管轄する小石川植物園と名を変えました。
その後、東京大学が設立されたことにより、大学の研究施設となって今日に至ります。
2012年には、文化財を保護する国の名勝及び史跡にも指定されました。

江戸幕府によって開園して以来、三百年を超える長い歴史を生きてきた小石川植物園。
園内には、小石川養生所があった当時に使われていた井戸が、現在も残っています。

この井戸は、大正時代に発生した関東大震災の時、飲料水として大いに役立ったとか。
小石川植物園は、薬草だけでなく水でも、多くの人の命を救ってきたのですね。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

2月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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