仕事始めに稽古始め。一月は、何事にも新たな気持ちでのぞむ、「始め」の行事が続きますね。
宮中では、新春恒例の「歌会始の儀」が催されます。
歌会とは、共通のお題で歌をつくり、その歌を披露する会のこと。
今年の歌会始のお題は「光(ひかり)」。
一般からの応募、詠進(えいしん)はすでに締め切られていますが、「光線」や「栄光」などの熟語にしたり、「光る」という訓読みにしても差し支えないそうです。
「光」という言葉は、これまでにも2回、昭和35年と平成22年にお題として選ばれています。
今年の歌会始では、どんな「光」の歌が披露されるのか、楽しみですね。
はるか昔、『万葉集』に収められた歌にも、「光」を詠んだものがあります。
その中から、奈良の都に大雪が降ったときに詠まれた、香り高い一首を紹介しましょう。
天(あめ)の下 すでに覆ひて 降る雪の
光を見れば 貴(とうと)くもあるか
天(あめ)とは天(てん)のこと。
天下を覆いつくして降り積もった雪が、まばゆいばかりに光り輝いているのを見ると、なんとも神々しく貴いことでしょうか。
天の下 すでに覆ひて 降る雪の
光を見れば 貴くもあるか
もしもあなたが、「光」の歌を 詠むとしたら、どんな光景を歌にしたいですか。
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