香りの散歩道


清らかな川でありますように


墨絵・朝野泰昌



7月は、身近な川に親しみ、美しい流れを守るために制定された「河川愛護月間」です。

1962年から半世紀にわたって、たくさんの子どもたちが川に興味を持つきっかけになった、一冊の絵本があるのをご存じですか。
今年の5月、92歳で旅立たれた、児童文学者の加古里子(かこ・さとし)さんの「かわ」という科学絵本です。

山に積もった雪がとけて小さな流れになるところから、田んぼや街の中を通って広い海に流れ出るまで。
工学博士でもあった加古さんは、川の水の旅と人々の暮らしを、わかりやすい絵と文章にして、子どもたちに教えてくれました。

そして、ロングセラーになったこの名作は、一昨年、絵巻じたての絵本として新たに出版されました。
絵巻じたてというのは、折りたたまれたページを広げると、およそ7メートルの川になる仕掛けです。
もとの絵本では、ページをめくりながら見ていた川が、源流から海までつながって見えるようになりました。

また、日本の高度経済成長期に作られた、もとの絵本にあったこの文章が削除されています。
「まちのごみやきたないみずがながれこんで、かわはすっかりよごれてしまいました」。
今では、たくさんの人の努力によって、川は本来の姿を取り戻したと、加古さんは思ったそうです。

私たちが住む街に流れる川も、絵本の川のように清らかでありますように。
そんな思いにさせてくれる、加古里子さんの絵本です。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

8月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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