香りの散歩道


この世界の片隅に


墨絵・朝野泰昌



夏になると思い出す、映画や音楽はありませんか。

青空にわきたつ入道雲や、夕立の匂い。
何げない景色や香りが引き金になって、映像やメロディーがふっと浮かんでくる・・・そんな経験は、みなさんにもきっとあるでしょう。

昨年の11月に公開され、今も各地でロングラン上映されているアニメーション映画『この世界の片隅に』はご覧になりましたか。
昭和20年の広島と呉を舞台にしたこの映画も、世代を超え、国を超えて、たくさんの人の心に深く刻まれる名作になっています。

原作は広島出身のこうの史代(ふみよ)さんの漫画ですが、映画化されたことによって音楽も生まれました。
オープニングに流れるのは、昭和40年代にザ・フォーク・クルセダーズが歌い、シンガーソングライターのコトリンゴさんがカバーした『悲しくてやりきれない』という曲です。

映画を監督した片渕須直(かたぶち・すなお)さんは、コトリンゴさんがささやくように、寄りそうように歌うこの曲を初めて聴いたとき、主人公の心そのものだと感じたとか。

そして、映画を観た人の中には、「この曲が流れてきただけで、胸がふるえて目頭が熱くなった」という人もたくさんいます。

一つの映画が、音楽が、72年前の夏を生きた人々のことを、思い起こさせてくれる・・・。
映画にも音楽にも、そんな素晴らしい力があるのですね。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

8月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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