香りの散歩道


風が吹けば、枯葉が落ちる


墨絵・朝野泰昌



今、日本各地でアンコール上映されているドキュメンタリー映画があります。
90歳の夫と87歳の妻。65年間連れそった夫婦の暮らしを、ゆっくりと見つめた『人生フルーツ』という映画です。

夫の津端修一(つばた・しゅういち)さんは建築家で、妻の英子(ひでこ)さんは、畑仕事や料理、編み物や機織りなど、手間のかかる手仕事が大好き。
そんな二人の住まいは、高度経済成長期に建設されたニュータウンの一角にある、雑木林に囲まれた一軒家です。

近くには団地がずらりと建ち並び、畑のある津端家だけが別世界のよう。
雑木林は、修一さんが更地に木を植えて育てたもので、30畳のワンルームがあるモダンな家も、修一さんが設計しました。

小鳥が遊びに来る庭のキッチンガーデンには、四季折々、70種類の野菜と50種類の果実が実り、日々の食卓にのぼります。
「孫の世代に残せるのは、お金ではなく、何でも育つ良い土」と、畑を耕す二人の暮らしぶりを物語る言葉が、映画では樹木希林(きき・きりん)さんのナレーションで繰り返し登場します。

「風が吹けば、枯葉が落ちる。枯葉が落ちれば、土が肥える。土が肥えれば、果実が実る。こつこつ、ゆっくり。」

『人生フルーツ』と名づけられたこの映画の評判は、人から人へ、思いを手渡すようにゆっくりと広がっています。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

5月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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