香りの散歩道


おことうさんどす


墨絵・朝野泰昌



暮れもいよいよ押し詰まりましたね。

匂い立つようにあでやかな、京都の舞妓さんたちも今日が仕事納め。
大晦日には、お世話になっているお茶屋さんに「おことうさんどす」と挨拶をして廻るのが習わしです。

「おことうさん」というのは、京都弁で「事が多い」という意味で、「やることが多くて大変ですね」と年末の忙しさを気づかう挨拶言葉です。
商売人の間では、「ご繁盛で何よりです」という意味も込められているとか。

「おことうさんどす」とお茶屋さんに挨拶をした舞妓さんは、一年のご褒美として、「福玉(ふくだま)」と呼ばれる紅白の玉をもらいます。
福玉はお餅を薄くのばしたもので出来ていて、直径は20センチくらい。くす玉のように、中にはさまざまな縁起物が入っています。

たとえば、小さな模型のタンスならば「着物が増える」、ミニチュアの三味線なら「芸事が上達する」、蔵の模型なら「蔵が建つほどお金に恵まれる」といった具合に、新しい年の幸運を福玉の中身で占うのだとか。

どんなものが入っているのか、開けてみるのは年が明けてからのお楽しみです。それぞれに素敵な春が来るといいですね。

今年も一年、『朝野家・香りの散歩道』におつき合いいただき、ありがとうございました。
来年もまた、ラジオでお会いしましょう。皆さまどうぞ、良いお年をお迎えくださいませ。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

12月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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