香りの散歩道


山茶花(さざんか)


墨絵・朝野泰昌
秋の終わりから冬にかけて、香り高い花を咲かせる山茶花(さざんか)。

花言葉は「困難に打ち勝つ」「ひたむきな愛」。

北風の季節に咲く、山茶花らしい花言葉ですね。

椿の仲間で姿かたちがよく似ているため、間違えられることも多いようですが、山茶花の名前だけは皆さんよくご存じでしょう。
垣根の曲がり角。山茶花の咲いた道・・・。童謡「たきび」の歌詞でおなじみの花ですから。

「さざんか、さざんか、咲いた道」と繰り返す歌詞が、北風の寒さとともに記憶にしみこんでいる人は、きっと多いでしょうね。
今は、街なかで焚き火をすることはできませんが、落ち葉が焼ける匂いまでよみがってくるような懐かしい歌です。

山茶花は古くから、多くの歌や詩に詠まれてきましたが、日本海に面した港町で生まれ育った童謡詩人、金子みすゞも「山茶花」という題名で詩を書いています。
風にゆれる山茶花が、赤ちゃんをあやすように、泣き出しそうな空をいつまでもあやしている・・・

そんな内容の詩で、生きとし生けるものすべてを慈しんだ、金子みすゞのやさしい眼差しに心あたたまる作品です。

北風が吹きはじめ、彩りが少なくなった散歩道で、街路樹や生け垣の山茶花がほほえみかけてくれた・・・そんな出会いがあったときには、どうぞ顔を近づけて花の香りをかいでみてください。

その記憶が、山茶花をもっと身近な花にしてくれるでしょう。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。



*このコーナーは毎週水曜日に日本海新聞で掲載しています



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