香りの散歩道


イグ・ノーベル賞


墨絵・朝野泰昌

先月、アメリカのハーバード大学で、ある世界的な賞の授賞式が行われました。
ユーモアがあって考えさせられる、独創的な研究を表彰する「イグ・ノーベル賞」です。

今年は化学賞の部門で、わさびのにおいを使って睡眠中の人を目覚めさせる実験に成功した、日本人の研究者が受賞しました。

この研究によって開発された臭気発生装置は、住宅用の火災報知器と連動して、災害時にわさびのにおいがする気体を噴射。
聴覚に障害のある人や耳が聞こえにくい高齢者が、睡眠中で逃げ遅れることがないよう、音のかわりににおいで危険を知らせる装置です。

ツンとしたわさびのにおいを嗅いで、目の覚めるような思いをした経験は皆さんもあるでしょう。
その覚醒効果を臨床実験で証明し、防災に役立てる研究をした人が日本にいることを、イグ・ノーベル賞のニュースで初めて知った人は多いのではないでしょうか。

これまでにも、においに関する研究で日本人がイグ・ノーベル賞を受賞した例はたくさんあります。
たとえば、足のにおいの原因となる物質を特定した研究や、ウシの排泄物からバニラの香りを抽出した研究など・・・確かに、ユニークなものばかりですね。

1991年に創設された「イグ・ノーベル賞」については、これまで名誉・不名誉で意見が分かれたこともあるようですが、香りの持つ可能性を追求した研究には、これからもスポットを当ててもらいたいですね。



*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。



*このコーナーは毎週水曜日に日本海新聞で掲載しています



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