香りの散歩道


ジャパン・ブルー


墨絵・朝野泰昌
夏の青空や海の青を、白い布に写し取ったような藍染の色。

藍草(あいぐさ)という植物で染める、この美しい色は「ジャパン・ブルー」とも呼ばれています。
 
江戸時代から明治にかけて、商人や町人で賑わう日本の町には、藍色があふれていました。

明治23年、記者として来日した小泉八雲(こいずみ・やくも)が、日本の印象を書き記した文章にもこんな一節があります。

「青い屋根の下の家も小さく、青いのれんをさげた店も小さく、青い着物を着て笑っている人々も小さい」。
青いのれんと青い着物は、まさに藍染の色です。
 
ひと口に藍色といっても、うすい水色から濃い青色までさまざまな色合いがあり、洗いざらすと、さらに色の変化が楽しめます。
小泉八雲の目にもきっと、ジャパン・ブルーが表情豊かに映ったことでしょう。
 
藍染の衣服は江戸時代、木綿の栽培が盛んになったことから、庶民の間に普及したといわれています。
木綿は、藍草で染めることによって繊維が丈夫になり、汚れも目立たなくなることから、普段着や仕事着として重宝されたのでしょう。

丹精こめて栽培した藍草が、収穫期を迎える7月下旬から9月上旬までが、藍染に最も適した季節。
今でもこの時期になると、藍染の工房は、藍の香りに包まれます。
この香りを虫が嫌うので、藍染には虫除けの効果があるともいわれてきました。
 
夏こそジャパン・ブルー。藍染の良さを再発見してみませんか。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。



*このコーナーは毎週水曜日に日本海新聞で掲載しています



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