柄井川柳が独特の視点で選んだ句は川柳点(せんりゅうてん)と呼ばれ、おもしろい句が多いと評判に。 明治時代になると、川柳点は川柳と呼ばれるようになり、季語や切れ字などの約束ごとがない、俳句よりも自由な表現として人気を集めました。 人生の機微や世相・風俗を、おもしろおかしく、五七五のリズムに乗せて歌うのが川柳の醍醐味。 柄井川柳が選んだ句をまとめた本『誹風柳多留(はいふうやなぎだる)』は、当時のベストセラーになりました。 その中から一句。 「うまそうに何やら煮える雨やどり」 にわかに雨が降ってきて、軒先で雨やどりをしていたら、家の中から何かを煮ているうまそうな匂いがしてきた。 きっと夕食の支度だろう。 その匂いに誘われて、おなかは減ってきたけれど、雨はまだやみそうにない……。 そんな江戸の暮らしのひとコマが、ほのぼのと伝わってきますね。 「見たり聞いたり喰ったりで名句なり」 皆さんも日頃、見聞きしたこと、食べたもので気ままに一句、川柳をひねってみませんか。