香りの散歩道



「お福分け」


墨絵・朝野泰昌

 豊かな香りの世界をそぞろ歩くような番組をつくりたいと、18年前にスタートした『朝野家・香りの散歩道』。

今年も皆様に、小さな幸せの香りを「お福分け」できればと願っています。

福を分けると書いて「お福分け」。

 いただきものを、ご近所や知り合いに配るときなどに使う言葉で、舞い込んできた福はみんなで分ち合いたい……そんな思いやりが伝わってくる素敵な日本語です。

「お裾分け」というほうが一般的かもしれませんが、できれば、新年を言祝ぐこの時期は、縁起の良い「お福分け」という言葉を使いたいですね。受け取る側も、「お裾分けです」と謙遜されるより、「お福分けです」と笑顔で手渡されるほうが、うれしくなりませんか。

口にするだけで、耳にするだけで、幸せな気分になる日本語。「香り」という言葉も、それだけで「良いにおい」であることを表しています。また、香りには「つややかな美しさ」という意味もあり、香り高いという表現は最高のほめ言葉といえるでしょう。

大切な人と香り高いひとときを分かち合う、そんな時間が今年もたくさんあるといいですね。



*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

1月分は放送中につき、もう少々お待ちください。

*このコーナーは毎週水曜日に日本海新聞で掲載しています



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