香りの散歩道


月より団子


墨絵・朝野泰昌

 秋は、月がとりわけ美しく見える季節。

今年の十五夜、仲秋の名月は十月三日です。

豊かな実りに感謝をこめて、お月様に供える月見だんご。

皆さんのお宅では、どんな形のおだんごを供えますか?

 
・・・というのも、関東地方と関西地方では、一般的に親しまれている月見だんごの形が違うのだそうです。関東地方に伝わるのは、小さな丸い形のおだんご。

一方、京都や大阪などの関西地方では、里芋の形をしたおだんごを、こし餡でくるんだものが主流です。

なぜ里芋の形をしているかというと、それは、お月見がもともと里芋の収穫を祝う祭りだったことに由来しているとか。

仲秋の名月は別名「芋名月(いもめいげつ)」と呼ばれていますから、里芋の形の月見だんごが生まれても不思議ではありませんね。

さらに調べてみると、沖縄には、関東風でも関西風でもない月見だんごがあります。

楕円形にまるめたおだんごに、塩味の小豆をまぶした餅菓子で、地元では「フチャギ」と呼ばれています。

また、アジアの国に目をやると、中国では満月の形をした「月餅(ゲッペイ)」という饅頭。
韓国では、蒸し器に松の葉を敷いて蒸す「松餅(ソンピョン)」という餅菓子を供えるそうです。

「花よりだんご」ならぬ「月よりだんご」な話題になりましたが、どれもおいしそうなお供えばかり。
お月様もきっと喜んでくれるでしょうね。



*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。


*このコーナーは毎週水曜日に日本海新聞で掲載しています



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