香りの散歩道


村の薬局


墨絵・朝野泰昌

 健康と美容のために、ヨガをする人が増えていますね。

お香を焚いてその場を浄め、心をしずめてからポーズをはじめると、集中しやすいといわれています。

ヨガの心得がない人でも、心地良い香りの中で静かに目を閉じていると、全身の力がふっと抜けるような感覚を覚えることはありませんか。

ほんの10分くらいでも、一日に一回、そんな時間を持てたらいいですね。

ヨガの本場インドには「村の薬局」と呼ばれている木があり、その木陰にいると人々はみんな元気になるという言い伝えがあります。


 お釈迦さまも、その木の下で瞑想をしていたといわれる、ニームの木です。
日本名はインドセンダンといい、インドでは古代から薬用の木として重宝されてきました。

ニームは、葉っぱも種子も枝も、余すところなく利用できる万能ハーブで、インドに伝わる民間療法アーユルヴェーダには欠かすことのできない素材です。

薬用効果の高い歯磨きにも使われ、独特の苦みがある歯磨き粉の原料になったり、ニームの枝の先を噛んで繊維をほぐし、歯ブラシのようにして磨く習慣もあるとか。

また、種子から採れる油ニームオイルは、自然環境に影響を与えないエコロジーな虫除け剤として世界的に注目されています。

日本でも栽培する人が増えつつあるというニームの木。その木陰でヨガをしたら、さぞかし気持ちいいでしょうね。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

5月分は放送中につき、もう少々お待ちください

*このコーナーは毎週水曜日に日本海新聞で掲載しています



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