映画を観ていておいしそうな食事のシーンがあると、スクリーンから匂いまで漂ってくる気がしませんか。

　映画『かもめ食堂』の料理を担当した、フードスタイリストの飯島奈美（いいじま・なみ）さんの本で、劇中に登場したしょうが焼きのレシピを見つけた友人は、「本物の匂いがかげるわよ」と喜んでいました。

　本のタイトルは、『LIFE（ライフ）なんでもない日、おめでとう！のごはん』。
普通の日を、ちょっといい日にしてくれる料理本です。
「かもめ食堂のしょうが焼き」 「おとうさんのナポリタン」 「ちいさなお祝いの日のちらしずし」「ともだちが来る日のオムライス」……。
料理の名前を聞いただけでも、なんだかワクワクしてきませんか。

　この本を推薦しているコピーライターの糸井重里（いとい・しげさと）さんは、「まずは、じぶんなりの工夫なんかもやめて、レシピそのままつくってみてください」とアドバイス。
作り方は、材料を切るところから写真入りで丁寧に紹介されているので、料理初心者でも、きっとおいしく作れます。

そして、もう一つのお楽しみ。
詩人の谷川俊太郎（たにかわ・しゅんたろう）さんが綴るホットケーキの思い出をはじめ、食べものにまつわる4編のエッセイが収められ、読んでもおいしい本に仕上がっています。

飯島奈美さんの『LIFE　なんでもない日、おめでとう！のごはん』。
ページをめくるたび、おなかがすいてきそうな一冊です。