今日4月1日は、エイプリルフールです。 お世辞でもいいから「きれいですね」と言われると、女性は本当に美しくなるという説もあるとか。 できれば、そんな素敵なウソをついてもらいたいですね。 江戸時代には、最高級のお香の名前「伽羅(きゃら)」という言葉が、ほめ言葉の代名詞として使われていたそうです。 その昔、お香を焚くのは公家や武士だけの楽しみでしたが、江戸も元禄の頃になると、一般の人にも香りを楽しむ習慣が広まりました。
けれど、「伽羅」というお香は、庶民にはとても手が届かない高価なもの。 そこで「素晴らしい、極上、美しい」などという意味を持つ、最高のほめ言葉になったのです。「伽羅を言う」といえばお世辞を言うこと。伽羅な女(おんな)「伽羅女(きゃらめ)」とは、美しい女性のことです。 元禄時代に流行したびんつけ油(あぶら)、今でいうヘアクリームのようなものにも、「伽羅の油」と名づけられたものがありました。 もちろん本物の伽羅が使われているのではなく、「極上で素晴らしい」という意味のネーミングです。 びんつけ油は当時、男女ともに髪が乱れないようにつけた身だしなみの必需品。 「伽羅の油」が大流行した江戸のまちでは、おしゃれに感な人たちはみんな、いい香りをさせて歩いていたのでしょうね。